住宅の窓ガラスには、さまざまな種類がありますが、その中に「すりガラス」と呼ばれるものがあります。

 

この記事では、すりガラスがどんなガラスなのかについて詳しく解説します。

用途や特徴の他にも、類似したガラスとの違いも紹介しているので、ガラス選びで困っている方には参考になる内容となっています。

これからマイホームを建てる予定がある方やガラスに興味がある方も、ぜひご覧ください。

すりガラスとはどんなガラス?類似ガラスとの違いも詳しく解説!

すりガラスとは

すりガラスは「曇りガラス」とも呼ばれていて、数ある不透明なガラスの一種です。

具体的には、透明な板ガラスの片面に金剛砂と呼ばれる砂を当てることにより、表面に微細なデコボコを付けて不透明に加工したガラスです。

 

砂を吹き付けることから、この加工法は「サンドブラスト」と呼ばれていて、無数のデコボコがガラスを不透明にして、視界を遮ることを可能にします。

すりガラスの歴史は古く、透明の板ガラスが国産化される前から外国産の板ガラスに加工し製造されていたといわれています。

 

日本に透明の板ガラスが登場したのは明治期以降で、大正期に広く普及し、昭和初期には一般住宅に取り入れられるようになりました。

つまり、すりガラスは、それ以前から日本で加工されていたということです。

 

すりガラスは、日本古来の障子の代替品として普及していきました。

透明なガラスでは障子の代わりになりませんが、外部から家の中が見えないすりガラスなら立派な代替品となり、室内への光も理想的に採り入れることができるのです。

すりガラスのメリットとデメリット

すりガラスのメリットとデメリットを紹介します。

障子の代替品として、利用できるすりガラスですが、注意しなくてはいけない点もあるので、その特徴を良く理解した上で選択してください。

 

すりガラスのメリット

障子の代替にもなるすりガラスは、外部からの視界を遮ることができ、柔らかな光を採り入れられるというメリットがあります。

サンドブラスト加工によって、デコボコになったガラスの表面に光が乱反射して、太陽光を柔らかく通し、乳白色の表面が目隠し効果を発揮してくれます。

 

すりガラスのデメリット

水に濡れると透明になってしまうのが、すりガラスのデメリットです。

すりガラスが水で濡れると、デコボコになったガラスの表面に光が乱反射する性能が失われます。

 

また、結露が起きると、部分的に透けてしまう恐れがあり、水滴や手垢や油汚れなどをしばらく放置しておくと、すりガラスの特徴であるデコボコに汚れが入り込んで、除去することが難しくなってしまいます。

すりガラスと類似した4つの不透明ガラス

すりガラスと類似した不透明ガラスを、4つ紹介します。

それぞれに特徴があるので、それをきちんと理解して用途に合わせて使い分けてください。

 

フロストガラス

フロストガラスとは、透明な板ガラスをサンドブラストした後で、ガラス加工時に発生した非常に細かいデコボコを、フッ酸と呼ばれる薬品でガラスを溶かして表面を滑らかにしたガラスです。

 

フロストガラスは、すりガラスよりも表面が滑らかであることから、水滴や手垢や油汚れをさっと拭き取ることができます。

そのような特徴があることから、浴室の他にもオフィスや店舗のパテーションなどにも活用されています。

 

型板ガラス

型板ガラスとは、ガラス製造の過程において、彫刻されたロールの型模様を、溶かしたガラス面に写して製造されたガラスです。

すりガラスと同じく、視界を遮ることはできますが、向こう側がぼんやりと分かるのが特徴となっています。

 

型板ガラスは、すりガラスよりも価格が安く設定されているのが特徴です。

そのため、目隠しが必要なトイレや浴室などに使用されることが多く、食器棚などの家具にも用いられています。

 

エッジングガラス

エッジングガラスとは、フッ化水素などの薬品で、ガラスの表面に模様やデコボコなどの特殊なパターンを付けて製造されたガラスです。

ガラスが特殊な溶液に溶解するという性質を利用して、表面に模様を付けています。

 

装飾合わせガラス

装飾合わせガラスとは、ガラスとガラスの間に和紙調フィルムを挟んで、光熱圧着した和紙調合わせガラスのことです。

和紙調フィルムが、他の不透明ガラスと違う風合いを出しています。

まとめ

すりガラスは、ガラスに金剛砂と呼ばれる砂を当て、表面に微細のデコボコを付けることによって不透明に加工したガラスを指します。

すりガラスは、障子の代替品として普及して、外部からの視界を遮り、柔らかな光を採り入れられるというメリットがあります。

 

すりガラスと同じ不透明ガラスには、他にもフロストガラス、型板ガラス、エッジングガラス、装飾合わせガラスなどいろいろな種類があります。

それぞれのガラスには、異なる特徴があるので、そのことをしっかり把握して使い分けることをおすすめします。

 

また、同じ不透明ガラスでも、製法や使用する材料によって価格も変わるので、その点にも注意してください。

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