ペアガラスは結露しにくい?その理由と結露発生の原因を解説

ペアガラスは結露しにくいと言われていますが、なぜなのでしょうか。
今回はペアガラスの構造と結露の関係について解説します。
窓の結露でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

ペアガラスは結露しにくい?その理由と結露発生の原因を解説

ペアガラスとは

ペアガラスは、その名前が表すように2枚のガラスを組み合わせたガラスです。
空気やガスの層を挟み込むことで、断熱性能を高めたガラスになります。
近年建築されている住宅の場合、約70%はペアガラスを採用していると言われています。

結露が発生する理由

空気中には、水分が含まれています。
空気中にある水分は、気体である水蒸気で浮遊している状態です。
実は空気中の水蒸気は、温度によって存在できる量が決まっています。

例えば温度20度の場合、1立方メートル中に17.3gまでの水蒸気を含むことができます。
この量を超えると水蒸気の形で存在できなくなるため、水蒸気は水に変わるのです。

雨が降る理由も、空気中に存在できる水蒸気の量が関係しています。
基本的に、温度の高さと空気中に存在できる水蒸気の量は比例します。
上空は地上よりも気温が低いため、湿気を多く含んだ空気が上空で一気に冷やされることで、水に変わり雨となって落ちてくるのです。

結露も、同じ理由で発生します。
ガラスのコップに冷たい飲み物を注ぐと、コップ表面の温度が急激に下がります。
すると、コップ表面に触れた空気が一気に冷やされることで、水蒸気として存在できなくなった水分が水滴となりコップに付着します。
これが結露です。
同じ現象が窓ガラスにも起こります。

屋外の冷たい空気が伝わった窓ガラスの表面は温度が下がり、そこにたくさんの水蒸気を含んだ室内の暖かい空気が触れます。
一気に気温が下がることで、水蒸気として存在できなくなった水分が水滴となって窓ガラスに付着するのです。

ペアガラスは層の効果で気温差が少ない

ペアガラスにすると、屋外側に面するガラスと屋内側に面するガラスの間に空気の層ができます。
このような多層構造になることで、外気温が伝わりにくくなり、屋内側に面するガラス表面の温度が下がりにくくなるのです。
その結果として、温度差が少なくなり、結露は発生しにくくなります。

ペアガラスでも結露が発生することはある

近年は、メリットが多いペアガラスを採用する住宅が増えています。
ですが結露が発生しない訳ではありません。
あくまでも、結露が「発生しにくくなる」にとどまります。

例えば、部屋の中でも特に冷えやすい北側や西側の窓の場合、ペアガラスにしても結露が発生する例は多く見られます。
さらに加湿器で室内を加湿することで、結露が発生しやすい状況ができ上がっているケースもあります。

ペアガラスに結露が発生しやすい状況について、詳しく解説しましょう。

気温差が激しい

屋外と屋内の気温差が激しいと、ペアガラスの断熱性能をもってしても断熱しきれず、窓ガラスが冷えてしまいます。
またアルミサッシは断熱性が低いため、サッシが外気温を伝え、結露が発生するケースもあります。

もともと外気温が下がりやすい寒冷地では、断熱性が高いサッシを利用することで結露の発生を抑えています。
北側や西側の窓だけ結露するという悩みを持つ場合には、結露する窓のサッシを寒冷地仕様にすると結露の発生が抑えられるでしょう。

湿度が高すぎる

最近では、空気の乾燥を抑えるために、冬場になると加湿器を使う家庭が増えました。
のどの乾燥を防ぐことで、病気にかかりにくくなるメリットがありますよね。
また肌の乾燥も防げます。

ですが空気中にたくさんの水蒸気が含まれることで、結露も発生しやすくなってしまうのです。
湿度は60%位までに抑えると、結露の発生が起こりにくくなります。
必要以上の加湿には注意しましょう。

通気性が悪い

空気が急激に冷えてしまっても、ある程度空気が動いている状態だと結露は発生しません。
つまり、通気性が悪いと湿気がとどまり、結露が発生しやすくなるのです。

気温差が気になり、カーテンを閉めっぱなしにすると、窓際に湿気が溜まり結露が発生しやすくなります。
寒い時期でも1日に2回くらいはカーテンや窓を開けて換気を実施し、湿気が溜まらないよう工夫しましょう。

まとめ

ペアガラスは結露が発生しにくいガラスですが、サッシの種類や気温差が激しいなどの条件下では結露が発生します。
できるだけ結露が発生しにくい環境を作ることや、気温差に合わせたサッシ選びをすると良いでしょう。

またペアガラスの中に充填するガスの種類を変えることで、より断熱性能が高まる場合があります。
もっとも断熱性能が高いのは、ガラスとガラスの間を真空に保つことです。
結露が発生しやすい窓だけでも、より断熱性能が高い窓ガラスに変えてみてはいかがでしょうか。

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