Low-Eガラスはどんなガラス?種類やメリット・デメリットを知ろう

窓ガラスにはいろいろな種類がありますが、近年多くの住宅で取り入れられているのがLow-E(ローイー)ガラスです。

Low-Eガラスは、遮熱・断熱効果に優れているため、新築戸建て住宅の86.4%まで普及(※1)しています。

経済産業省でも、地球温暖化対策の取り組みの一つとして設置を推進(※2)しているLow-Eガラスとはどんな特徴があるガラスなのか、ここではメリットやデメリットも交えて紹介していきます。

low-eガラス

※1 参考資料:板硝子協会「複層ガラス/Low-E複層ガラス普及率の推移」

http://www.itakyo.or.jp/upload/ecoglass_penetration_2021.pdf?2021

※2 参考資料:板ガラス業界の地球温暖化対策の取組低炭素社会実行計画 2019年度実績報告

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/chikyu_kankyo/seishi_wg/pdf/2020_001_08_01.pdf

Low-Eガラスとは

Low-Eガラスとは、ガラスの表面部分にLow-E金属膜をコーティングしたもので、製品としては複層ガラスに使われており、「Low-E複合ガラス」「エコガラス」と呼ばれることもあります。

Low-Eは「Low-Emissivity(ロー・エミシビティー)」の略語で、日本語では低放射という意味です。

つまり、Low-Eガラスは放射を低くするガラスという意味で、日光や暖房によって発生する熱を吸収したり反射したりする機能を持っています。

 

遮熱・断熱機能を持つLow-Eガラスは、太陽熱による室内の温度上昇を防いだり、暖房効率を高めたりする効果に優れています。

そのことから、1年を通して室内を快適な環境に保つことができるガラスとして注目されているのです。

Low-Eガラスの種類

Low-Eガラスには、ガラスが持つ特性により2つの種類があります。

 

1つは断熱効果にフォーカスした断熱タイプ、もう1つは遮熱効果にフォーカスした遮熱タイプです。

それでは、それぞれの種類の特徴を詳しく見ていきましょう。

断熱タイプの特徴

断熱効果に特化した断熱タイプのLow-Eガラスの金属膜は、主に遠赤外線を吸収したり反射したりするのが特徴です。

断熱効果を高めるため、室内側のガラス表面にLow-E金属膜をコーティングし、カットしすぎない程度に太陽熱を遮りながら室内の暖かさを維持します。

遮熱タイプの特徴

遮熱効果に特化した遮熱タイプは、近赤外線と遠赤外線の両方を吸収・反射する機能を持っているのが特徴です。

遮熱に重点を置いていることから、外側のガラス表面にLow-E金属膜をコーティングし、夏の強い日差しをしっかりと遮ります。
ただし、このタイプは断熱効果とのバランスが取れていることから、冬場の寒さ対策にも適しています。

Low-Eガラスのメリット

Low-Eガラスは、普通のガラスよりも断熱・遮熱効果が高いので、これだけでも十分なメリットがあると言えます。

しかし、他にもいろいろなメリットがあるのでチェックしておきましょう。

光熱費の節約になる

Low-Eガラスの一番のメリットとも言えるのは、光熱費を節約できることです。

金属膜のコーティングにより、夏は日差しの暑さをカットし、冬は暖房の温かい空気が逃げづらくなるので、冷暖房の効率がアップします。

夏は冷房の温度設定を高く、冬は暖房の温度設定を低くできるため、年間を通して光熱費を大幅に削減することが可能です。

年間約5万円もの節約ができるという一例もあるので、冷暖房の使用時間が長いご家庭ほど節約効果が期待できます。

結露を軽減できる

Low-Eガラスを使った服装ガラスは、ガラス板の間に空気層があるため、室内外のガラスの温度差が生じにくくなり、結露を軽減できるというメリットもあります。

結露を放置すると、窓やサッシの部分に水が溜まってしまいカビが発生します。

しかし、冬はすぐに結露ができることが多く、カビを完全に防ぐことができません。

Low-Eガラスにすれば、ガラス部分には結露ができづらくなるので、カビの抑制に繋がります。

畳やカーテンの日焼けを防げる

Low-Eガラスには紫外線をカットする効果もあるので、畳やカーテンの日焼けを防ぐことができます。

畳やカーテンが日焼けをすると、部屋全体がみすぼらしくなってしまいますが、Low-Eガラスにすればきれいな状態を保てます。

また、窓際のフローリングの劣化や家具の日焼けも防げるので、家を新築したりリフォームしたりする場合にはLow-Eガラスを検討することをおすすめします。

Low-Eガラスのデメリット

Low-Eガラスにはメリットがある反面、デメリットも存在します。

実際に使ってみて後悔しないように確認しておきましょう。

普通のガラスよりも高額な費用がかかる

Low-Eガラスは特殊加工を施しているため、普通のガラスよりも高額な費用がかかります。

価格は商品や取り扱っている業者によって異なりますが、90×90(cm)サイズで20,000円から40,000円。
90×180(cm)サイズは40,000円から80,000円が相場となっています。

さらに施工費もかかるため、窓の数によってはかなり大きな出費となるでしょう。

しかし、光熱費の節約を考慮すると、初期投資が高額でも長い目で見れば損をすることはありません。

種類によっては逆効果になる

Low-Eガラスの種類と設置する部屋の状況がマッチしていないと、遮熱や断熱が逆効果になってしまうので注意しましょう。

たとえば、西日が当たる部屋に遮熱タイプのLow-Eガラスを入れた場合、真夏は遮熱効果により暑さを和らげられますが、冬は西日の暖かさがなくなってしまいます。

夏の暑さの方が辛ければLow-Eガラスを入れるのが正解ですが、それほど暑くない場合は、遮熱タイプより断熱タイプを入れた方が良いでしょう。

部屋の状況にマッチした種類を選ぶことが大切です。

Low-Eガラスを取り入れて室内を快適にしよう

Low-Eガラスには、冷暖房効率をアップして室内を快適な状態に保つ、光熱費の節約ができるなど、さまざまなメリットがあります。

Low-Eガラスは後から取り付けたり、取り替えたりすることもできるので、もっと室内を快適にしたいという方は、設置を検討されてはいかがでしょうか。

 

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