合わせガラスとは?防犯性の高さも期待できる?

窓の機能性は、サッシやレールの種類だけではなく、ガラスの選び方によっても大きく左右されます。

窓ガラスの種類の中でも、防犯性や防音性など、高い機能を持つのが「合わせガラス」です。

 

合わせガラスといえば、複層ガラスをイメージする人も多いと思いますが、両者はまったくの別物です。

 

そこで今回は、合わせガラスの特徴や防犯性について、詳しく解説します。

合わせガラスとは?防犯性の高さも期待できる?

合わせガラスとは?

 

合わせガラスとは、2枚のガラスの間に樹脂(中間膜)を挟み合わせたものです。

 

一般的な住宅の窓に利用する合わせガラスは、ガラス2枚を1セットにしたタイプですが、使用場所によっては、ガラスを4層や6層と、複数の板ガラスと中間膜を重ねて圧着します。

 

合わせガラスは、住宅用窓ガラスの他にも使用されています。

例えば、自動車のフロントガラス、電車・バスの行き先を表示する部分のガラス、情報機器などのモニター部分などで使われています。

 

基本的に中間膜は無色透明ですが、プリント加工した膜を挟んだ、デザイン性の高い合わせガラスもあります。

 

合わせガラスの特徴は?

 

合わせガラスは、一般的なガラスと製造過程や機能性が違うため、他のガラスにはない特徴を兼ね備えています。

 

どういった特徴があるのか、利用する前にチェックしておきましょう。

 

合わせガラスは厚みによって種類が変わる

 

一般的に、合わせガラスの中間層の厚さは30mil(0.76mm)未満です。

 

中間層の厚さは、全部で3種類あり、厚さがある分、膜の数や機能性が変わってきます。

 

中間層の厚さ 中間層の枚数 特徴
30mil(0.76mm)未満 2枚 一般的な合わせガラス
60mil(1.52mm)未満 4枚 一般より強度が高い
90mil(2.28mm)未満 6枚 一般より強度や安全性に強い

経年劣化のトラブルに強い

 

合わせガラスは、中間層の厚みが大きいほど、ガラス本体の強度が高まります。

使用する場所に合わせて、強度の高い窓ガラスの設置を検討してもよいでしょう。

 

合わせガラスは割れても飛散しない

 

合わせガラスは1枚ガラスと違い、ガラス同士の間に樹脂膜を挟んでいます。

中間膜があることで、万が一ガラスが割れてしまっても、破片が飛び散ったりガラス片の粉が部屋中に飛び散ったりする心配がありません。

 

中間層を破らない限り、窓を割っても完全に壊れることはないので、窓の近くに座っていても、ガラスによってケガをするリスクが低いです。

 

合わせガラスは強度が高く災害に強い

 

合わせガラスの中間膜は、簡単に切れない、穴を開けられない特殊フィルムを挟んでいます。

そのため、台風や強風によって外部から飛んできた異物が、窓ガラスにぶつかっても貫通しにくいです。

 

合わせガラスは、車のフロントガラスにも使われているため、耐衝撃性と貫通性に優れていることが分かりますね。

 

合わせガラスは紫外線カット率が高い

 

合わせガラスの中間膜は、見た目は透明です。

そのため透視性はありますが、紫外線をカットする性質もあり、窓ガラスに採用する住宅が増えています。

カット率は99.9%というタイプもあり、紫外線が気になる家庭に好評です。

一般ガラス(5mm厚のフロートガラス)は、紫外線カット率が約36%なので、UV率の高さが目立つでしょう。

 

住宅に合わせガラスを導入した場合、紫外線により床や家具類などの日焼けを防ぎ、日差しの強い夏でも室内温度を快適に保ってくれます。

 

合わせガラスは防音性に優れている

 

合わせガラスは2枚のガラスと樹脂膜による3層構造のおかげで、遮音性・防音性に優れています。

多くの人が騒音・不快と感じるのが2500 Hz以上の音といわれていますが、合わせガラスは2500 Hz周辺の音を防音する効果が期待できます。

 

外を走るトラックの音をうるさく感じたり、室内で騒ぐ子供たちの声が外に漏れたりなど、住宅の悩みを合わせガラスが解消してくれるかもしれません。

 

合わせガラスと複層ガラスは違うの?

 

よく「合わせガラスと複層ガラス・強化ガラスは同じ」と思われていますが、ガラスの仕組みや機能性がまったく違います。

 

合わせガラス 複層ガラス 強化ガラス
構造 ガラスの間に樹脂膜を挟み圧着 ガラスの間に空気層がある 熱処理した一般ガラスを一気に冷却し耐風圧強度を高める
ガラスの強度 高い 普通 やや高い
ガラスの飛散性 なし あり あり
機能性 ・防犯対策

・防音対策

・紫外線カット

・結露防止

・断熱性/遮熱性

・紫外線カット

・飛散防止

(粉々に砕け散る)

・耐久性が高い

 

強化ガラスは、防犯対策に最適といわれていますが、合わせガラスと違って中間膜がないため大きな力が加わると簡単に割れます。

 

泥棒は、侵入に5分以上かかると、その家を諦めるといわれています。

中間膜がなく割れやすい強化ガラスは、合わせガラスに比べて防犯性が低いといえるでしょう。

 

また、合わせガラスと複層ガラスどちらを選ぶか悩む人が多いのですが、設置場所によって選択することも可能です。

ガラスの特徴を踏まえて、どこにどのガラス窓を配置するか、検討しましょう。

 

まとめ|合わせガラスでガラス強度を高めよう

 

防犯性や飛散性、紫外線カットなど、機能性を求めるなら合わせガラスがおすすめです。

空き巣防止や台風・強風による破損防止なども期待できるので、設置を検討されてはいかがでしょうか。

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