複層ガラスと二重窓

low-eペアガラスとは?設置するメリット・デメリットや注意点

窓のリフォームを検討する際、どんな窓ガラスにすれば良いかとても悩みますよね。
「複層ガラスと二重窓の違いがわからない」というケースもあるでしょう。

窓ガラスには、いくつかのタイプがあります。この記事では、複層ガラスと二重窓の違いや、複層ガラスの選び方などについて解説していきます。ぜひ、あなたの家に最適なものを選びましょう。

ペアガラスや二重サッシの違いとは?ペアガラスの選び方も解説

複層ガラスとは?

複層ガラスは、ガラスとガラスの間に中空層を置く2枚一組のガラスです。複層ガラスの中空層には、通常は空気が入りますが、空気の代わりに不燃性のガス(アルゴンガスなど)が入る場合もあります。複層ガラスでは、この中空層が大切です。

冬に着るセーターやダウンが温かいのは、セーターの毛糸やダウンの羽毛が、空気を含んでいるからです。空気には断熱効果があります。セーターやダウンを着ることは、空気を着ることと一緒です。つまり、冷気から体を守ってくれるのです。

複層ガラスのガラスとガラスの間にある中空層の効果も、セーターの毛糸やダウンの羽毛が含んでいる空気と同じです。

このように、複層ガラスの中空層は、断熱機能を有しています。この断熱機能を発揮すれば、室内の温度は、複層ガラスの窓からの冷気に左右されません。すなわち、室内暖房の省エネルギーに貢献します。

戸建住宅、マンション、アパートなどの一般住宅でも、窓を複層ガラスにする人が増えています。新築を一戸建てを建てられる方の約70%は、窓ガラスに複層ガラスを導入すると言われています。複層ガラスの断熱効果による省エネルギーへの貢献は、広く知られるところとなりました。

もちろん、大きなビルなどにも、複層ガラスは採用されます。しかしこちらは、ビルのオーナーが窓を複層ガラスにすることを選択しているというより、いわゆる省エネ法※に基づき、一定以上の断熱効果のある複層ガラスを設置する義務が課され得ています。複層ガラスは、省エネの切り札となっているのです。

※省エネ法とは
「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」のことです(以下「省エネ法」という)。省エネ法は、石油危機を契機として昭和54年に制定された法律です。「内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため、工場等、輸送、建築物及び機械器具等についてのエネルギーの使用の合理化に関する所要の措置、電気の需要の平準化に関する所要の措置その他エネルギーの使用の合理化等を総合的に進めるために必要な措置を講ずることとし、もって国民経済の健全な発展に寄与すること」を目的としています。https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/overview/

複層ガラスのメリット

複層ガラスは、その中空層により、いくつかの特長を備えています。それは、断熱効果であり、断熱効果の結果期待できる結露対策です。

断熱ができること

複層ガラスは、ガラスとガラスの間の中空層に空気層を確保できるため、空気の層が断熱効果を発揮します。冬場は暖房熱を部屋の外に逃がさずに済みますし、外から冷気が入ってくるのも防げます。夏であれば、熱い外気が部屋内に入り込むことを防げます。いずれも、省エネ効果が期待でき、ひいては、地球環境に優しくなります。

結露対策ができること

複層ガラスは、結露対策ができます。

冬になって気温が低くなると、窓ガラスは外気によって冷やされます。窓ガラスが1枚のガラスである場合には、窓ガラス付近の部屋内部の空気が窓ガラスによって冷やされ、窓ガラス付近の部屋内部の空気の温度が下がります。そうなると、この冷やされた空気中に含みきれなくなった水(水蒸気)が現れ、冷えたガラスの表面に「露」として付着します。これを一般に「結露」と呼んでいます。

複層ガラスは、外側ガラスと内側ガラスとの間に中空層があり、この層が断熱効果を有しています。したがって、一般的には、外気に冷やされた外側ガラスは、内側ガラスを冷やすことはありません。そうであれば、内側ガラス温度が下がることはなく、窓ガラス付近の部屋内部の空気が冷やされず、結露は発生しづらくなります。

結露は、嫌われ者です。窓のそばにあるカーテンが汚れてしまいますし、それがカビの原因となります。特に小さいお子さんがいるご家庭であれば、お子さんが喘息やアレルギーを引き起こす原因ともなり得ます。複層ガラスで結露対策ができれば、お子さんの健康を守ることができます。

複層ガラスのデメリット

しかし、複層ガラスには、つぎのようなデメリットもあります。

複層ガラスへの交換ならば、同時にサッシ交換も必要なこと

複層ガラスは中空層を持つので、ガラス自体の厚みが「ガラス+中空層+ガラス」となります。例えば、「5ミリ厚ガラス+6ミリの中空層+5ミリ厚ガラス」では、この複層ガラスの厚みは16ミリとなります。もし、普通の1枚のガラスを複層ガラスに交換しようとすれば、交換前のサッシに入っていたガラスの厚みが5ミリであれば、16ミリの厚みの複層ガラスに対して、このサッシは再利用できません。つまり、複層ガラスへの変更に連れて、サッシも交換せざるを得ません。ガラス代金だけではなく、サッシの代金もかかってしまうことになります。

遮音は期待できないこと

また、複層ガラスは2枚のガラスを中間層で挟んでいますから、遮音効果があるように考えられます。しかし、音の周波数により、遮音性能が劣る場合があります。これは、ある音の周波数では、2枚のガラスが中空層の空気と共鳴してしまうからです。

複層ガラスと二重窓の違いとは?

複層ガラスと二重窓を一緒だと思っている方もいるでしょうが、実は違います。二重窓とは、既存の窓の内側に新しく設置する窓のことです。複層ガラスは2枚のガラスで1枚とするガラスです。

両者の違いは、2枚のガラス一組で作られたガラスが1枚か、あるいは、1枚のガラス窓が2つあるかです。2枚のガラス一組で作られた複層ガラスが1枚でガラス窓を作っていれば、2枚のガラスの間には密閉された空気層があります。これに比べて、2つのガラス窓であれば、2つのガラス窓の間には、密閉されていない空気層のようなものができます。

二重窓は、普通の1枚のガラス窓よりは、断熱効果があります。しかしながら、複層ガラスのようにしっかりと密閉された中空層である空気層はありませんので、その効果に及ぶものではありません。

まとめ

複層ガラスや、複層ガラスと二重窓の違い、メリット・デメリットについて解説しました。
1枚のガラス窓では、断熱効果はありません。断熱効果を求めるのであれば、複層ガラスについて、交換を検討してみてはいかがでしょうか。断熱効果や結露対策にもつながりますし、メリットが大きいのが複層ガラスです。

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