サテンプリヴィガラスとは?フロスト調ガラスを紹介

フロストガラスについて

ガラスの表面をきめ細かい乳白色、いわゆる、フロスト調に仕上げる方法を「フロスト加工」といい、これを施したガラスを総じて「フロストガラス」といいます。この加工の結果、ガラス自体が不透明になることから、プライバシーを保護するガラスとして、いろんな場所に多く提供されています。このようにガラス表面を加工するには、次のような方法があります。

アシッド・エッチング加工

「アシッド・エッチング加工」という「フッ酸」によるガラス表面の腐食によるものが、古くからフロストガラスをして、用いられていました。エッチング加工とは、主に金属やガラスなどを対象として、酸・アルカリなどの腐食性を利用して、金属やガラスなどの表面を一部「腐食」させることで、目的とする模様や形状を金属やガラスの表面に形成する「表面加工法」をいいます。ガラスに対して行うエッチングでは、フッ酸(化学式:HF)※が用いられます。フッ酸は大変毒性の高い物質で、取り扱いには、おおいに注意が必要です。そのため、この「アシッド・エッチング加工」で使用する「フッ酸」の強い毒性のため、多くのガラス加工メーカーは、「フッ酸」を使用する「アシッド・エッチング加工」をしなくなっています。

※フッ化水素の水溶液である「フッ化水素酸(フッかすいそさん、Hydrofluoric acid)」のことを一般に「フッ酸」といいます。これに触れると、激しく身体を腐食する危険な毒物です。すなわち、フッ酸は骨や血液中のカルシウムイオンと容易に結合するので、骨を侵したり、また、血液についての低カルシウム血症の原因ともなります。フッ酸による事故は多く、例えば最近では、2020年6月、東京都千代田区神田須田町2の路上でフッ酸と思われる液体250mLが路上にこぼれ、そのため、周囲約100メートルを通行止めにし、ガスマスクを付けた東京消防庁の化学機動中隊員らが2時間以上かけて処理した例があります。幸いけが人はいませんでしたが、「フッ酸」が大変毒性の高い物質であるということは、周知の事実です。

サンドブラスト加工

アシッド・エッチング加工に代わり、コンプレッサーの圧縮エアーで、投射材(ガラスビーズなど)を噴射させガラスなどの加工対象物へ吹付け、物理的にフロスト調の表面加工を行う方法が「サンドブラスト加工」です。「サンドブラスト加工」したガラスは、「フッ酸」を使用することなくアシッド・エッチング加工と同様なフロスト調の外観を表現できます。しかしながら、サンドブラスト加工では、特に、ブラストされた面にちょっと触ってしまっただけで、ガラス表面に指紋汚れがついてしまいます。これは、一旦ついてしまうとなかなか取れず、厄介です。

サテンプリビー加工

上述の2加工に対して、弊社は、サテンプリビーという名称で、ガラスの表面をきめ細かい乳白色のフロスト調に仕上げています。サテンプリヴィガラスの表面の加工は、「アシッドエッチング加工」でも「サンドブラスト加工」でもありません。化学塗料をガラス表面に塗布することで、フロスト調の効果を得ています。

弊社がこのサテンプリヴィ加工を採用しているのは、①アシッドエッチング加工において使用される「フッ酸」のような危険な薬を使用することがないこと、②サンドブラストガラスに生じやすい、特に指紋汚れがガラスにつきにくいこと、がその理由です。

しかしながら、欠点もあります。それは、フロスト効果は塗料で実現しているので、①物理的なガラスへの浸食とは違い、そのガラス表面の摩耗性(耐久性)は上述の2加工より低下すること、また、②塗布した塗料には耐酸性がないこと、です。

また、ほとんどのサテンプリヴィガラスは、室内用として使用されています。そのため、高温にさらされることがありませんから、サテンプリヴィガラスについては、耐熱性試験が行われていません。

写真↓は、向かって左がサンドブラスト加工のガラス、向かって右はサテンプリヴィガラスです。比較してみると、サンドブラスト加工のガラスの方が、汚れがよく目立っているのがわかると思います。

まとめ

以上の通り、サテンプリヴィガラスの表面は、他の加工製品のフロスト調外観と全く同じです。人間への安全性や環境への影響も考え、「フッ酸」を使用するアシッドエッチング加工によるガラスはお勧めしません。また、簡単に汚れが付いてしまい、これを拭い去るのが大変困難なサンドブラスト加工によるガラスも、また、お勧めすることができません。

人に害毒がなく、環境にやさしく、汚れが付きにくいサテンプリヴィガラスを自信を持って、お薦めします。

 

 

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