カラーガラスとは、端的に言えば色が付いたガラスです。
ガラスそのものに色を混ぜたものや、ガラスの裏面に色を吹き付けたものなどがあります。
この記事では、カラーガラスの特徴や、使われるシーンを解説します。
またカラーガラスのメリットやデメリットも併せて紹介しますので、参考にしてください。
2種類のカラーガラス
カラーガラスには、大きく分けると「光を透過するもの」と「透過しないもの」があります。
窓ガラスのように、外の光を取り入れる目的を持つ場合には、光が透過しなければなりません。
ですがタイルのように壁に貼るものの場合は、逆に光が透過せず裏側が見えないものが必要です。
光が透過するカラーガラス
一般的なガラスは「ソーダ石灰ガラス」というものになります。
マンガンやニッケル、ネオジウムなどを素材に加えることで、無色透明なガラスに色が付けられます。
このように無色透明なガラスに鉱物を混ぜ着色したカラーガラスは、ステンドグラスの材料としても使われています。
鉱物で色を付けたカラーガラスは、ガラス自体が着色されているため、切断面も同じ色です。
ですが「色被せガラス」といって、透明なガラスに着色したガラスを被せた多層構造のカラーガラスもあります。
薩摩切子のように、ガラスをカッティングすることで模様を描き出すガラス工芸品は、色被せガラスを使うことで美しい模様が浮かび上がるのです。
光を透過するカラーガラスでも、カラーフィルムなどを貼ったり挟み込んだりすることで着色している場合もあります。
機能性があるカラーフィルムを使うことで、カラーガラスに紫外線カット効果や赤外線カット効果などをプラスすることも可能です。
光が透過しないカラーガラス
壁などの仕上げ材として使う場合には、ガラスの向こう側が見えない方が都合は良いでしょう。
そのため、光が透過しないタイプのカラーガラスを使用します。
光が透過しないタイプのカラーガラスの多くは、ガラスの裏面にさまざまな色合いの塗料を吹き付けることで色を作り出していきます。
このため、光が透過しないカラーガラスには、表面と裏面ができます。
透けて見えませんので、窓ガラスなどには使えません。
カラーガラスのメリット
無色透明なガラスに比べると、装飾性に優れます。
また窓ガラスに使用する場合は、さりげなく外からの視線や太陽光が遮られます。
ですが光は透過しますので、部屋の中が暗くなりすぎません。
また電気を通さない点も一つのメリットでしょう。
静電気を帯びることがありませんので、乾燥する季節でもパチッといやな刺激を感じることはありません。
他にも鉱物などを混ぜ込んで作られるカラーガラスは、錆びる心配がありません。
そのためキッチンなど水回りでも使用できます。
汚れがこびりつきにくく、付着してもふき取ればきれいに落ちます。
カラーガラスのデメリット
ガラスなので、割れてしまう心配があります。
ただし、フィルムを貼ったりすることで、割れにくくなっているカラーガラスもあります。
ガラスは割れやすいことから、割れを防ぐために厚いものを使うことが多くなります。
その結果、重量が重くなる傾向があるのはデメリットでしょう。
またカラーガラスは、無色透明なガラスに比べると「価格が高く、熱に弱い」というデメリットもあります。
ただし、ガラスの種類によっては熱に強いものがあります。
キッチン周りにガラスを利用する場合には、熱に強いものを選ぶと良いでしょう。
カラーガラスは、用途や使用場所により種類が分かれています。
異なる用途や使用場所のものを使うことは、避けなければなりません。
カラーガラスが使われているシーン
では実際にカラーガラスは、どのようなシーンで使われているのでしょうか。
パーテーション
空間を仕切るパーテーションとして、カラーガラスを活用することは多々あります。
とくに商業施設では防犯を兼ね、透過するカラーガラスをパーテーションとして活用することがあります。
パーテーションとして使いながらも奥行を見せたり、商品を引き立たせたりする効果も狙えます。
ある程度視線は遮りたいものの、全く見えない状況にすると防犯上問題がある喫煙所などでもカラーガラスが使われています。
ゾーニング
空間をテーマや用途ごとに分けることを「ゾーニング」と言います。
カラーガラスは、ゾーニングの際にも活用されることがあります。
壁にカラーガラスなどを配置することで、光が反射して室内が明るく見える効果もあります。
室内装飾
リビングなどの壁にカラーガラスを貼ることで、おしゃれな雰囲気が出ます。
壁紙と異なり、カラーガラスは水拭きによる掃除が可能なので、汚れをきれいにふき取れます。
装飾性が高いだけではなく、衛生的な暮らしにも役立ちます。
屋外装飾
カラーガラスの中には、屋外で使用可能なものも多くあります。
例えば、門柱やブロック塀の間にカラーガラスのタイルを入れ込むと、プライバシーを守りつつ、防犯性があるエクステリアになります。
光を反射するカラーガラスは、装飾性も高いでしょう。
まとめ
カラーガラスは「ガラスそのものに色付けしたもの」「フィルムなどで色を付けたもの」「裏から色を吹き付けるもの」など、さまざまな種類があります。
用途に合わせて選ぶようにしましょう。
またガラスは割れやすい素材です。
カラーガラスも割れ安いため、割れにくくするために厚みを持たせているものも多くあります。
その分重量が増えますので、使用する際は重量も考えて選ぶと良いでしょう。