Low-Eガラスとは

こんにちは。DDGJAPANの関口です。

JAPANSHOPでも多くの方にLow-Eガラスって何?という質問をいただきました。

ガラスを扱うとよく耳にする言葉ですが意味を説明してといわれるとなかなか難しいワードだと思います。

ですので本日は、Low-Eガラスについてご説明いたします。

熱の移動

熱の移動の形態は、熱が何によって運ばれるかで3つに分かれます。対流は流体が、熱伝導は物質が、熱放射は電磁波が熱を運びます。すなわち、「対流」は流体である空気が、「伝導」は物質であるガラスが、そして「放射」は電磁波としての可視光線や紫外線、遠赤外線が、運びます。

その3形態のひとつである「放射」とは、可視光線や紫外線、遠赤外線による熱移動のことです。例えば、暖房器具に手をかざすと遠赤外線の運ぶ熱で、手が暖かく感じられる、といったことです。

Low-Eとは

Low-Eガラスの「Low-E」とは、「Low Emissivity」の略で「低放射」という意味です。「低放射」とは、上述の熱移動のうち、「放射」による熱の伝導、つまりは可視光線や紫外線、遠赤外線による熱移動を少なくする性能をいいます。この「低放射」をガラスの上で実現するために、ガラスに直接「特殊金属膜」を蒸着します。「特殊金属膜」とは、低反射性能を発揮する金属膜と、それを保護する酸化金属膜が重なった多層膜をいいます。このガラスがLow-Eガラスです。この「特殊金属膜」を蒸着することで可視光線や紫外線、遠赤外線による熱移動が制限され、ガラスは「低放射」という性能をもつことになります。こうして、Low-Eガラスは「冬は室内に暖かい熱を逃さず、夏は太陽熱を程よく遮へいする」機能を持つこととなります。

 

複層ガラスにおけるLow-Eガラス

最近では、Low-Eガラスは複層ガラスに多用されています。複層ガラスの中空層における熱の移動は、「放射」による熱移動が60%、「対流」による熱移動が40%を占めていますが、Low-Eの金属膜を複層ガラスの中空層に向けて使うと、この「放射」による熱移動の量を80%少なくすることができますので、このため、「放射」による熱移動が60%から48ポイント削減され12%になります。これで、複層ガラスの断熱性は、大きく向上します。すなわち、「対流」による熱移動の40%と「放射」による12%で合計52%となりますから、Low-Eガラスを1枚、中空層に向けて使用することで、複層ガラスの中空層における熱伝導は、約半分になります。

ところで、複層ガラスの中空層に向けた2枚のガラスの両面に、それぞれLow-Eの特殊金属膜を使用したらどうなるでしょうか?断熱性が大幅アップする?!・・・そんなことはありません。

上述の通り、複層ガラスの片側のガラスにLow-Eガラスを使用することで、すでに「放射」による熱移動の80%は解消しており、残りは「放射」による熱移動は、中空層の熱移動全体の12%しかありません。たとえ、残りの1枚をLow-Eガラスにしたとしても、「放射」による熱移動は12%から10ポイント減るだけです。つまり、両方のガラスをLow-Eガラスにしても、「対流」による熱伝導が40%残りますから、「対流」による熱移動の40%と「放射」による2%で合計42%は、残るのです。確かに効果はあります。しかし、10ポイント減ということですから、断熱性が大幅アップということはありません。

いかがでしょうか。身近に使われているけど何かといわれると説明が難しいLow-Eガラスについて説明いたしました。エコガラスと呼ばれるLow-Eガラスの採用をお考えください。

 

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