パターンガラスとは?
パターンガラスとは、型板ガラスのことです。ガラス表面に、凸凹の模様がついています。ガラスの裏面は、一応平らです(が、フロートガラスほど、まっ平らではありません)。凸凹の模様によって、すりガラスのように光を拡散して不透明になるタイプと、ガラスの凸凹で対象が多重化する透明なタイプの二種類あります。いずれも、「ロールアウト法」により製造されますが、凸凹の模様は「型ロール」によるものです。
「ロールアウト法」とは?
「ロールアウト法」とは、上下2本のロールの間に、融けて固まる途中の軟らかいガラスを通して板にする製法です。150年ほど前は、ガラスは、人間が息を吹いて作る「吹きガラス」でできるものでした。花瓶などは、いまでもこの「吹きガラス」でつくっていたりします。ところで、当時は、窓に使用するような「平たい板状のガラス」を直接作る方法はなく、吹きガラスがまだ軟らかい間に底を切り開いて「平たい板状のガラス」にしていました。ひとつひとつ人がガラスを吹いてつくるのですから、教会にあるステンドグラス程度の大きさと量のガラスをつくるのがせいいっぱいで、何とか「平たい板状のガラス」をたくさん作れないか、人はいろいろと考えました。フルコール法やコルバーン法など、いろいろな方法が考えだされましたが、その一つが「ロールアウト法」でした。
閑話休題。
通常、「ロールアウト法」では、上下2本のロールがまだ軟らかいガラスを挟んで熨していきます。そのようにして、「平たい板状のガラス」を作り出すのです。そして、2本のロールのうち、下のロールを模様の付いた「型ロール」と交換し、上のロールと下の「型ロール」の間に、まだ軟らかいガラスを通すと、2本のロールに挟まれて、ガラスが板状に形作られる間に、ガラスの下面には「型ロール」の模様が転写されます。これが冷えて固まると「パターンガラス」、つまりは、型板ガラスとなります。
昭和のパターンガラスとは?
日本でも、昭和のはじめころから、各ガラスメーカーが、各種型板ガラス=パターンガラスを大量に製造していました。日本家屋の多くは平屋で、障子や板戸といった建具が主でした。後に障子の障子紙の代わりに入れられた2mm厚の型板ガラスは、その模様から「梨地」と呼ばれるものが中心となり、大量に製造、保管、出荷されていました。しかし、やがて、団地やマンションの普及とともに、サッシにはフロート法で作られる無色透明なガラスが主流となっていきました。この流れの中、型板ガラスは、どんどん衰退していきます。
現代のパターンガラスとは?
今では、型板ガラス=パターンガラスのほとんどは輸入品です。上述のような日本製パターンガラスは、既に製造はしていませんが、古い在庫などが「昭和モダンガラス」などというような言い方もされ、かえって新しいデザインとして注目を浴びています。
DDGでは、「ラウンドリード」をはじめとするパターンガラスを用意しています。単板として使用することはもちろんですが、このパターンガラスを合わせガラスとして使うことで、新たなデザインを提供することができます。
ショールームにご来場ください!
弊社ショールームでは、型板ガラス=パターンガラスの単板とその他のガラスを単板でご用意しています。合わせガラスにしたとき、ガラスとガラスの間に挟むことのできるメタルメッシュなどのマテリアルもありますから、お手に取って、いろいろと組み合わせていただくことができます。弊社ショールームに、どうぞ、お越しください。