台風で窓ガラスが割れる?危険な風圧や割れないための対策を紹介

台風は主に春先から秋にかけて発生しますが、近年は大型台風が増えており、甚大な被害が出ることも多くなっています。

2019年に千葉県に上陸した台風15号は、最大瞬間風速57.5m/sを記録し、大きな爪痕を残しました。

今後、こういった被害が出ないという保証はないため、万が一の事態に備えて、特に被害が出やすい窓ガラスの台風対策について学んでおきましょう。

台風で窓ガラスが割れる?危険な風圧や割れないための対策を紹介

窓ガラスが割れる風圧について

台風が上陸するとなると、窓ガラスが割れないか心配になりますが、実際のところどれぐらいの風圧で割れるのでしょうか。

気象庁の「日本版改良藤田(JEF)スケールとは」(※)では、風速25~38m/sで「風で飛ばされた物で、窓ガラスの破損が発生する」という旨の指標を出しています。

※参考資料:気象庁 風速の目安
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/tornado1-2-2.html

ここで注目したいのが、「風で飛ばされた物で」窓ガラスが割れるという点です。
原文でも、「風圧で窓ガラスが割れる」という旨の一文はなく、あくまで「物が飛んでくることで窓ガラスが割れる」という旨の文となっています。

つまり、気象庁では風圧だけで窓ガラスが割れるということは予測していないのです。
その理由は、窓ガラスの耐風圧設計にあります。

窓ガラスは耐風圧設計になっている

大型の台風の上陸が予想されると、まずは窓ガラスが割れないように対策を行なう方が多いようですが、実は窓ガラス事態は耐風圧設計になっているため、想定内の風圧で割れる心配は少ないでしょう。

耐風圧設計は、建設省の告示(※)によって示されている基準に沿って設計されているので、基本的に台風の風圧だけでは割れないと考えられます。

ただし、鉢植えや樹木、看板などの衝撃では割れてしまうことはあります。
また、近年は異常気象が続いており、想定される風圧以上の風速や最大瞬間風速が何回も起こる可能性があります。
つまり、想定外の風圧に関しては100%割れないとは言い切れないため、台風や暴風の際にはしっかり備えておく必要があるのです。

※参考資料:平成12年5月31日建設省告示第1458号
https://www.kenken.go.jp/japanese/research/lecture/h16/slide/06-1/ref/No1.htm

台風の風圧で窓ガラスが割れないための対策方法

風圧によって窓ガラスが割れるリスクは少ないとしても、物が飛んでくると割れる可能性があります。
また、最大瞬間風速が観測史上最高になることもあるので、台風のときにはしっかり対策をしておかなくてはいけません。

ここでは、どのような対策方法が有効なのか紹介していきます。

飛散防止フィルムを貼る

近年、スタンダードになっているのが、飛散防止フィルムを貼るという対策方法です。
飛散防止フィルムは、窓ガラスを割れにくくすると同時に、割れたとしてもガラスの飛散を防止してくれるアイテムです。

窓ガラスに貼るだけ、という手軽さから、台風情報が出るとホームセンターなどでは売り切れになることも少なくありません。

ダンボールで補強する

飛来物による破損を防ぐには、ダンボールを使う対策方法がおすすめです。
本来であれば、板を打ち付けるのが一番ですが、板を用意したり打ち付けたりするのは大変なので、ダンボールを貼り付けましょう。

貼るときには、窓枠とダンボールの間に隙間ができないようにするのがポイントです。
窓枠にダンボールをしっかり貼り付けて、養生テープかビニールテープで枠に沿って貼っておけば、飛来物の衝撃によるガラス割れを防ぐ効果が期待できます。

もし、すでに雨風が強くなっている場合は、内側の窓でもいいので貼っておきましょう。
ダンボールを貼ることで、ガラスの飛散を抑えることができます。

シャッターを閉める

シャッターが付いている窓であれば、シャッターを閉めるだけで窓ガラスが割れるのを防ぐ効果が期待できます。

シャッターには、飛来物の衝撃や風圧から窓を守るという役割があります。
閉めるときには、窓の一番下まできっちりと閉めましょう。
中途半端に閉めると、逆に風圧によって壊れてしまう可能性があるので注意してください。

台風の風圧には窓ガラスを変えるのも効果的

台風の上陸回数が多い、もしくはすでに台風による被害に遭ったことがあるという場合は、窓ガラス自体を風圧に強いものに変えるというのも、効果的な対策と言えます。

強化ガラス・複層ガラス・飛散防止ガラス、これらのガラスは風圧に強く、台風のときでも比較的安心できます。
どれぐらいの風圧に耐えられるかをしっかり確認したうえで、交換を検討してみても良いでしょう。

台風の風圧に耐えられる窓ガラス対策をしておこう

台風は去れば安心というものではなく、近年は予想外の季節に大きな台風が起こることも増えています。
過ぎ去るとつい油断してしまいますが、台風は地震と同じぐらい被災するリスクが高い災害なので、しっかり備えておくことが重要です。

直前の対策では十分なことができないので、窓ガラスへの対策はもちろん、可能であれば窓ガラス自体を安心できるものに交換して台風に備えておきましょう。

 

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